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  埼玉版 平成27年2月号  
ヒョウタンで工芸品作る  蓮田市の荒井勲さん

「8年前に亡くなった妻はヒョウタンのことを知らないんです。来世で会うときは真っ先に報告したい」と荒井さん。自宅には、これまで作ったヒョウタン工芸作品がたくさん陳列されている
親子やえとなどを描いて置物に
 蓮田市に住む荒井勲さん(79)は約6年前から自家栽培のヒョウタンに、人物や動植物などの絵や文字を描いたヒョウタン工芸品を作り続けている。これま で個展を6回開いてきたが温かくて、かわいらしい荒井さんの作品は、「心和む」「見ていて楽しくなる」と評判。昨年(2014年)も自宅の庭で約150個 のヒョウタンを収穫し、「親子シリーズ」や「ほろ酔いシリーズ」と名付けた作品群をすでに200点近く制作した。今年10月開催予定の個展「第7回ひょう たん工芸展」に向け出品作300点を目標に毎日制作に励んでいる。

 荒井さんの自宅には、これまで制作した作品の一部が展示されている。それらの作品は見ていてほほ笑ましくなるものばかり。ペンギンの家族やロシアのマト リョーシカ人形によく似た母娘、恋という文字の下でハート形に顔と顔を向き合わせている2羽のハクチョウなどなど—。

 「栽培したヒョウタンはきれいな形ばかりではありません。曲がっていたり、表面に穴が開いていたり。あばたや染みがあったりもします。私はどんな形をしていても捨てないで、その形を生かして作品にしています」と荒井さん。

 ヒョウタンにもその大きさからいろんな種類があるが、荒井さんが作るのは直径最大12センチくらいの小ぶりな千成ヒョウタン。

 約8年前に突然、7歳下の奥さんを脳動脈瘤(りゅう)で亡くし、精神的ショックから「痩せ細ってしまった」という荒井さん。しかし、その後「ヒョウタンと巡り合ったことで、生きがいが持てるようになりました」とにこやかに話す。

 荒井さんは、どういうきっかけでヒョウタン工芸品を作るようになったのだろう。

 妻がいなくなって2年くらいたってから、宇都宮市に住む娘と孫が蓮田市に遊びに来た。そのとき持ってきたのが、学校からもらったという20個程度のヒョ ウタンの種。種を託された荒木さんは戸惑った。大学卒業後、教育関係の出版社や学校法人で編集や広報の仕事を続けてきたが、農業経験はほとんどなかったか らだ。

 そこで、適当に庭先に穴を掘って種を植えておいたところ、次第に芽が出てつるが伸び、秋になると100個以上の実がなった。

「思いがけずたくさんの実がなったのですが、今度はこの実をどうすればいいのかと途方に暮れました」と荒井さん。近所の農家の人に聞いたり、インターネットで調べたりして思いついたのが、台座を付けて置き物にすることだった。

 しかし、ヒョウタンを置き物にするには、その前に乾燥させなければならない。荒井さんは3年間試行錯誤して次のような方法を確立した。(1)収穫した ヒョウタンの尻に穴を開けて2週間水に漬ける(2)するとヒョウタンの中身が腐敗してくるので、種やワタをかき出し、中を空洞にする(3)その後で表面の 薄い膜を取ってつるつるにする—。この状態で天日干しにすれば乾燥したヒョウタンの出来上がり。

 「ここまで4月〜11月と約8カ月かかります。この工程に大変な手間暇がかかります」と荒井さん。特に腐敗臭は強烈で、これで挫折する人も多いという。

 次は、いよいよ乾燥したヒョウタンに色付けする段階。塗料は高価な専用の合成樹脂塗料ではなく、ホームセンターなどで売っているペイント。「長く続ける ためにお金はあまりかけられないので」と荒井さん。自宅の一部にある工房でヒョウタンに色付けしているが「30分も描いていると疲れてくるので休憩しなが ら2、3個並行して絵を描いています」と話す。1つの作品が完成するのに足掛け7日間程度かかるという。


家庭的な雰囲気を持つ荒井さんのヒョウタン工芸作品。家族や親子、酒などさまざまなテーマをもとに作品にしている
親子や酒をテーマに
 最初のころは、えとや依頼されたものを作ってプレゼントしていたが、次第に物足りなくなってシリーズものに力を入れるようになった。最近、取り組んでい るのが「親子」と「酒」というテーマ。母と娘や息子、あるいはネコなどの動物の親子の姿を描いて100点を超える作品を制作、その一方で「ほろ酔いシリー ズ」と名付けた日本酒のとっくりとおちょこ、ワインのボトルとグラスなど約50点を制作している。

今年10月に個展開催
 制作した作品は11年から「ひょうたん工芸展」として、これまで蓮田市などで合計6回開催。今年も10月に開催を予定している。「今年の個展には300点近くの作品を展示したい。そのためには新たなシリーズにも取り組みたい」と荒井さんは意欲を見せる。

 また、個展で関心を持った人には種をあげて、ヒョウタン工芸作りの輪を広めていこうと考えている。

 荒井さんの作品に興味のある人は、ウェブサイト「おじさんのひょうたん工房」で検索。また、ヒョウタン工芸の問い合わせは荒井さん(Tel.048・768・0542、Eメール:i-arai@rapid.ocn.ne.jp)まで。

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